最高裁判所第一小法廷 昭和28(オ)484 判決
主 文
原判決を破棄する。
本件を仙台高等裁判所に差し戻す。
理 由
上告代理人弁護士長谷川太一郎の上告理由について。
職権をもつて調査すると、成立に争のない乙第一号証(訴願書)ことに同証中の
「昭和二四年二月二六日附訴願ヲ出シタトコロ同農地委員会(村委員会)カラ期日
経過ノタメ地方事務所ノ指示ヲ得ル迄一応返戻ストノ理由テ返戻ニナリマシタガ今
ニ至ルモ何等ノ音沙汰ナキママ失礼ナガラ直接県農地委員長宛ニ訴願ヲ提出シタ次
第何卒御諒承願イマス」なる記載、原審証人D、E及び原審における被控訴人(上
告人、原告)A本人の供述等によれば、裁決庁たる県農地委員会は、株式会社F社、
Gのなした訴願が法定期限後約五ヶ月を経過した昭和二四年六月二六日附を以て直
接訴願庁に提起されたのを右訴願書記載事実を諒承しこれを宥恕すべき事由あるも
のと認めて受理し(そして、当裁判所は、訴願庁の右認定、受理は、その裁量に属
するものと解するを相当とするばかりでなく、本件訴願の期間の懈怠につき宥恕す
べき事由があつたことは前記証拠その他一件記録を通じて看取するに難くないもの
と認める。)、実質的審議をした上訴願を棄却する裁決をしたものであることを窺
い知ることができる。従つて、右裁決は、行政事件訴訟特例法五条四項にいう訴願
の裁決にあたるものと解すべきである。そして、上告人等は、右株式会社F社、G
等の承継人であるから、自ら異議、訴願をしなくとも訴願裁決の取消及び本件買収
計画の取消を訴求できるものと解する(自作農創設特別措置法四〇条の五、一一条
参照)。果たして然らば、上告人等の本件訴は、訴提起の要件を充足し適法なもの
といわなければならない。従つて、上告理由につき逐一判断するまでもなく、原判
決は破棄を免れない。
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よつて、民訴四〇七条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 真 野 毅
裁判官 入 江 俊 郎
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